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児童文学の名作『モモ』の作者

ミヒャエル・エンデによる絵詩集『影の縫製機』を

ドイツ語原文付きで新装復刊したい!

ベッポの言葉を胸に。発起人、アトリエ・ヤマグチより

皆さま、こんにちは! 発起人のアトリエ・ヤマグチです。本プロジェクトをご支援いただき誠にありがとうございます。おかげさまで60名以上の方からご支援いただき、達成率10%を超えることができました。無事に新装復刊できるよう引き続きがんばってまいりますので、応援よろしくお願いいたします!
 
先日、サウザンブックスさんとプロジェクト達成へ向けてのミーティングを行いました。
 
私たちはクラウドファンディングのチャレンジが初めてですので、どうしても気持ちが先行して数字ばかりが気になってしまうのですが、これまで数々のプロジェクトを達成されてきたサウザンブックスさんとお話しして、〈やることを整理して、焦らずにひとつづつ進めていこう〉と気持ちを新たにしました。
 
いま、頭に浮かぶのは〈モモと道路掃除夫ベッポの会話〉のシーンです。
 

 
 「なあ、モモ、」とベッポはたとえばこんなふうにはじめます。「とっても長い道路をうけもつことがあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう。」
 
 しばらく口をつぐんで、じっとまえのほうを見ていますが、やがてまたつづけます。
 「そこでせかせかと働きだす。どんどんスピードをあげてゆく。ときどき目をあげて見るんだが、いつ見てものこりの道路はちっともへっていない。だからもっとすごいいきおいで働きまくる。心配でたまらないんだ。そしてしまいには息がきれて、動けなくなってしまう。道路はまだのこっているのにな。こういうやり方は、いかんのだ。」
 
 ここでしばらく考えこみます。それからようやく、さきをつづけます。
 「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな? つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸(いき)のことだけ、つぎのひと掃(は)きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」
 
 またひと休みして、考えこみ、それから、
 「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
 
 そしてまたまた長い休みをとってから、
 「ひょっと気がついたときには、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶおわっとる。どうやってやりとげたかは、じぶんでもわからんし、息もきれてない。」
 
 ベッポはひとりうなずいて、こうむすびます。
 「これがだいじなんだ。」

(『モモ』(岩波少年文庫)ミヒャエル・エンデ 作/大島かおり 訳/岩波書店/2005年発行/p.52–53)
 

 
ベッポの言葉を胸に抱き、達成を目指していきますので、引き続きサポートいただけますと幸いです。


■ご協力いただきたいことがあります。
私たちだけでは情報発信に限りがありますので、本プロジェクトのことを広めていただけると嬉しいです。
 
エンデやシュレーダーが好きな方からあまり知らない方まで、多くの方々に『影の縫製機』のことを知っていただきたいです。
 
SNSでのシェアやお知り合いへのご共有など、ご協力いただけますととても嬉しく、プロジェクトの力になります。よろしくお願いいたします。
 
『影の縫製機』新装復刊へ向けて、何卒お力添えいただけますと幸いです。

atelier yamaguchi(アトリエ・ヤマグチ)山口吉郎・山口桂子
X(旧twitter):@yamaguchike_at
 

2025/07/17 09:47